遠い夢から身近な憧れへ YouTuberを目指す子供の習い事とは?

小中高生といった子供たちから絶大な人気を集めるのが、動画投稿者です。
もっぱら動画共有サイトであるYouTubeに動画が投稿されることから、彼(女)らは“YouTuber”(ユーチューバー)と呼ばれます。

2017年にソニー生命保険株式会社が行った「中高生が思い描く将来についての意識調査2017」によれば、将来なりたい職業について「YouTuberなどの動画投稿者」と回答したのは、中学生男子は17%で第3位、中学生女子は6%で第10位という結果となりました。
また、高校生男子でも6.8%で第10位にランクインしています。

・参考 中高生が思い描く将来についての意識調査2017
http://www.sonylife.co.jp/company/news/29/nr_170425.html

若者たちからこれだけ支持を集めているユーチューバーですが、多くの大人たちからするとまだまだ「何をやっているのだかよくわからない」「真っ当な職業ではない」と思われがちなものといえるでしょう。

そこで今回は、ユーチューバーを目指す子供たちの習い事としてYouTuber Academyを取り上げると共に、ユーチューバーとはどういうもので、どのような仕組みで収入を得るのかといった点について検討していきましょう。

YouTuberとは

動画と広告収入

YouTubeを運営する会社は、2011年に「YouTubeパートナープログラム」という制度を採用しました。
これは自作動画の投稿者に対し、一定の割合の広告収入を認めるものです。

一回一回の視聴による広告収入は1円にも満たない微々たるものですが、全国的・全世界的に視聴され得るインターネット上の動画においては、積もり積もって莫大な金額となることもあります。

こうして、一部の再生回数の多い人気動画の投稿者は、広告収入のみで生計を成り立たせることが可能となりました。
これが、ユーチューバーです。

業務自体は広告業者と変わらない

ユーチューバーは、様々な創意工夫を凝らして「面白い」動画を製作するようになりました。
再生されればされるほど収入が多くなるためであり、また創作意欲や承認欲求が満たされるからでもあるでしょう。

そのため、一見すると子供のおふざけのような内容の動画であったり、「炎上」狙いで犯罪まがいの内容の企画を行ったりするものも出てきて、心ある人々からは胡散臭い、ダーティーなものだという見方もされてしまうことがありました。

ただ、内容はどうあれ、ユーチューバーの行っている業務は、TV局の流すCMや雑誌広告などと変わらず、動画を通じて広告を見てもらうことの対価として収入を得るというものです。

地位の不安定さ

ユーチューバーを目指そうという子供に眉をひそめる人々が挙げる、動画の内容以外の理由としては、いつ収入が途絶えるかわからない不安定な職業だ、というものがあります。

確かに、YouTube運営会社の方針によって動画1再生あたりの単価は変わり得ますし、実際以前よりも報酬は引き下げられています。
また、流行り廃りが多い分野でもあるため、一気にブレイクすることもあれば、その次に投稿した動画は鳴かず飛ばずという可能性も常にあるでしょう。
その意味では、職業にするのであれば、決して安定したものではないのは事実です。

ただ、地位が不安定というのであれば芸能人やタレント、アイドルもそうですし、様々な分野で活躍するフリーランスも、また派遣社員も大差ありません。
加えて、現代は名だたる大企業ですら経営が苦しくなり、リストラや身売りを行うことも珍しくなく、ユーチューバーのみを殊更に槍玉に挙げることもないはずです。

ユーチューバーの行っていることは潰しがきかないのでは、という懸念もありますが、たとえば営業一筋で数十年間勤めてきた会社員は再就職の際に潰しがきくのか、と考えると、やはり条件は大きく変わらないでしょう。

以上のことから、ユーチューバーというのは、時代が生み出した新たな職業形態の可能性を示すものと捉えることができます。

習い事としてのYouTuber Academy

ユーチューバーの養成所ではなく

これだけ子供たちの間でユーチューバーが人気となれば、それを新しいビジネスの切っ掛けとしようという動きが出てきます。

その一つが、日本で初のYouTuber養成講座というサービスを展開するYouTuber Academyです。
これは東京都にあるFULMA株式会社が開講するもので、小学生を対象としてリテラシーを始めとする動画の撮り方、編集の仕方などを教えてゆくという内容です。

小学生を対象とするのは、いわゆるユーチューバーとして食べていく人を養成する養成所ではなく、習い事のような位置づけとしてユーチューバーを体験する環境を用意する、という想いや理念があるからだ、とFULMA株式会社の担当者は述べています。

養成講座の内容

YouTuber養成講座では、まずネットリテラシーを扱います。
プライバシーや情報の拡散性、何を言ってよくてどういうことは言ってはいけないのか、といった情報の扱い方をしっかり教えるとのことです。

次にその回ごとに設定されているテーマに沿った形でワークを進めていきます。
色によって自身を表現する方法であったり、リアクションによって視聴者に伝える方法であったり、テーマはいろいろとあります。

さらに、テーマに基づくワークを活かして動画を撮影していきます。
子供たちで協力し、楽しみつつ、講師による助言なども行われるという流れです。
撮影された動画は、見やすく面白くなるように編集を行います。
文字や効果を入れたり、カットしたりつなぎ合わせたり、人目を引くサムネイルを作ったりと、プロ用の機材を用い、多くの編集作業を子供たち自身で進めるのです。

こうして完成した動画はYouTubeに限定公開という、URLを知る者だけが視聴できるような方法で投稿され、親も交えて鑑賞会を開きます。
子供が自分で作った動画がYouTubeではどのように流れるのかを知り、楽しみながら今後の課題とすることができます。

スクールの内容

2018年の4月からは、単発の講座だけではなくスクールも開講される予定となっています。
このスクールのカリキュラムは、1st・2nd・3rdの3つのステージに分かれ、ステージごとにINPUTとOUTPUTOに分かれています。

INPUTではICTリテラシーや表現力ワーク、編集技術、プレゼン講座、そして企画を、OUTPUTでは動画作成とプレゼンを、それぞれ行っていくとあります。

特徴としては、まずお手本からオリジナルへという守破離の流れを踏まえたカリキュラムとなっており、子供が動画作成の型を身につけつつオリジナルへの昇華の仕方を学べるという点が挙げられます。

次に、総務省が推進するICT、すなわち情報(Information)通信(Communication)に関する技術(Technology)のリテラシーを小学生向けにわかりやすくしたカリキュラムによって、インターネット上において自分の身を守り、不用意に他者を傷つけない方法を学べるという点が挙げられます。

さらに、動画の企画を通じて、自分自身をプロモーションしてゆくセルフブランディングと、誰を想定視聴者とするのかというターゲッティングを学べるという点が挙げられます。

これらによって、動画作成を通じて一般の学校ではなかなか学べないようなことを扱ってゆくというのがスクールの魅力といえるでしょう。

YouTuber Academyの費用・場所

YouTuber Academyの費用

養成講座の費用は、受講料が税込みで540円~1080円、教材費が税込み2160円となっています。
スクールは今のところ、体験会が120分で税込み5400円となっています。

定期的なカリキュラムとしてどうなるかは未定ですが、そこまで高額でもないと考えられますね。

YouTuber Academyの開催場所

千葉県の柏市にある「柏の葉T-SITE」、神奈川県の藤沢市にある「湘南T-SITE」で定期的に開講されている他、東京や東大阪、秋田市などでもワークショップが行われました。

今後、全国的に開催されてゆくことが見込まれているようです。

まとめ

技術の発展により、今までにはなかった職業が生まれてきました。
個人が自分をプロモーションし、タレントとして広告収入を得ていくというYouTuberもその一つです。

将来それを専業とするかどうかは別としても、動画の作成やそれを通じた気づきや学びは、なかなか他のところでは得られないものでしょう。
YouTuberに抵抗があるという保護者の方も、自身もYouTuberの動画を観るという方も、一度お子様の習い事を通じてYouTuberについて考えてみるのもいいのではないでしょうか。

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