声がそのまま楽器になる! 子供への歌の習わせ方

音楽系の習い事といえば、ピアノやバイオリン、フルートなど、いわゆる楽器を用いたものが思い浮かぶことでしょう。

しかし、それらの楽器を用いなくとも「歌」を習うという選択肢があります。
ただ、

「歌うだけならどこでも歌えるのだから、敢えて習わなくともいいのでは?」
「そもそも歌を習うというのはどういうことなの?」

などの疑問も浮かぶかも知れません。

そこで今回は、

・子供に歌を習わせることのメリット
・歌はどこでどのように習わせるのか
・歌と関連する職業にはどういったものがあるか

といった点についてみていきましょう。

歌について

歌うという行為

歌というのは、声を用いることで音楽的な音を生み出す行為をいいます。
ただ声を発しただけでは歌とはいいませんし、通常の会話も歌ではありません。

歌と単なる発声とを区別するのは、節回しであったりリズムであったり抑揚であったり、といった要素です。
歌の中には、歌詞が意味を伝える言葉として成り立っていないようなものもあります。
歌は言葉のみによって特定の意味を伝えたいというよりも、聴き手の感情を揺さぶることに重きを置かれる、といっていいでしょう。

また、聴衆がいなくとも一人で歌うことがあるように、歌は娯楽やストレス解消としての役割もあります。
このように、歌うという行為には、様々な側面があるといえるのです。

歌の種類

歌といっても、その種類は多岐にわたります。
民謡のように自然に生まれてきた歌もありますし、国歌や社歌、隊歌、校歌などのように一定の集団を纏めるために作られた歌もあります。

あるいは、革命歌や労働歌、応援歌のように対象を励まし、鼓舞する目的で歌われるものもあります。
他にも宗教歌や聖歌といった宗教絡みの歌もあれば、オペラやカンツォーネなどの芸術関連の歌もあります。

日本では神楽歌や謡曲、浄瑠璃や長唄などが挙げられる他、和歌も広い意味での歌に含まれます。
このように、歌と一口にいっても実に様々なものがあることがわかります。

歌を習うことのメリット

歌の上達

歌を習うわけですから、当然歌う技術は上達します。
声の出し方や音程のとり方、リズム感などが身につきますし、それらのスキルは学校の合唱の時間だけではなく、日頃からの会話の際の発声や、娯楽としてのカラオケなどでも十全に発揮されることでしょう。

しかし、子供が歌を習うことによるメリットは、それだけではありません。

姿勢や体幹

そもそも、声を出すというのは身体の動作を伴うものです。
吸った息を、喉を震わせて出すことによって声が生じるわけですから、立派な運動なのですね。カラオケボックスに置いてある機種によっては、歌を一曲歌いきったときの消費カロリーが表示されるものもありますが、なかなか馬鹿になりません。

声を出すトレーニングを行うことで腹筋が鍛えられ、猫背気味であれば姿勢も矯正されます。息の通りをよくする必要があるため、背筋がピンと伸びるのです。

度胸がつく

歌のコンクールなどに出て人前で歌うことで、度胸がつくという点も見逃せません。
人見知りの傾向があり、他人の前ではっきりとした声が出せないというような子供であれば、進学しても社会に出てからもコミュニケーションに苦労するでしょう。

歌の場合、楽器の演奏とはまた異なり、「声を発する」というプロセスが不可欠のものです。
そのため、人前で声を出すこと自体に慣れが生じます。加えて、発声練習も行うため、声の通りもよくなり、張りも生まれます。
それによって、会話に対する抵抗感が薄れるのです。

言葉の習得

たとえば、英語の歌を繰り返し歌うことで、いつの間にか英語の発音やフレーズが身についていた、ということがあります。
これと同様に、日本語であろうと外国語であろうと、メロディに乗せて口ずさんでいるうちに覚えられるのです。

何かの暗記をしようとする際に、節をつけて歌にして覚えたという経験をお持ちの方もいるでしょう。
歌を歌うことで、言葉をよりたくさん覚えることができるのですね。

歌の教室について

3種類の歌の教室

歌の教室といっても、大きく分けて3種類あります。

・音楽教室
・ボイストレーニング教室
・ミュージカルスクール

まず、音楽教室は歌だけではなく、楽器にも親しむことができます。
いろいろな楽器の演奏に合わせて歌うこともできますし、ピアノを習うのと一緒に歌も習いたい、などという場合には音楽教室がおすすめです。

次にボイストレーニング教室は、発声から歌の歌い方に至るまでを専門的に教えてくれるというところに特徴があります。歌手などのプロになりたいという場合には、選考の対策もしてくれますし、大勢の前で歌う機会も得られるので適しているでしょう。

最後にミュージカルスクールの特徴は、舞台での発声の仕方を習えるところと、ダンスや演技をしながらの歌い方を身につけられることです。
単に立ったまま歌うのと動きながら歌うのとでは違ってきますし、表現の幅も広がります。また、演技まで込みでの選考の対策もしてくれます。

開始年齢とレッスンの内容

ある程度身体ができていなければならないスポーツや武道とは異なり、歌を習い始めるのに年齢はさほど問題になりません。
ただ、言葉をきちんと発音できなければならないこと、先生の指示を理解して従えること、というのは最低限必要ですから、幼児期だと難しいといえます。

音楽教室で、歌うというより音楽やリズムに乗って楽しむというのがメインのレッスンであれば、1歳くらいから始められますが、ボイストレーニング教室やミュージカルスクールなら小学生以上が対象というところが多いです。

レッスン内容としては、正しい姿勢を取り、発声練習を行い、耳で聴いた音と口から出る音の音程を合わせてゆく、といったものが挙げられます。
ボイストレーニング教室であれば、聴いていて魅力的な声の出し方や自然な話し方も教えてくれますし、ミュージカルスクールなら振付や身体全体を用いての表現の仕方なども扱います。

レッスンの費用

歌のレッスンの形態には、グループレッスンと個人レッスンとがあります。
グループレッスンであれば週に1回で、1回あたり2000~3000円、月に8000~1万円といったあたりが相場です。
また個人レッスンであれば1回あたり5000円ほどで、月に1~2万円が相場となります。

1回あたりの時間は、子供の集中力にもよりますが1時間前後です。
マンツーマンでの個人レッスンのほうが高くなりますが、その分しっかりとみてもらえます。グループレッスンでは一人ひとりに掛けられる時間は少なくなりますが、他の子供と比べて自分の実力を省みることができるというメリットがあります。
子供の性格や相性などによって、向いている形態を選ぶといいでしょう。

歌と職業

プロの歌手

歌を歌うことを職業にするのなら、歌手やアイドル、シンガーソングライターが考えられます。
どれも歌をメインに活動する仕事ですが、それだけに厳しく実力を問われる職業でもあります。

オーディションを受ける、路上ライブやライブハウスでの活動からスカウトされる、コンテストに出る、といったルートでなることができます。

舞台俳優

ミュージカルの劇団員となる、という道も考えられます。
歌のみをやっていくというのではありませんが、ミュージカルには発声力や歌唱力も求められるので、歌を習っていた経験を活かせるといえます。

これも養成所に入る、劇団のオーディションを受ける、芸能事務所に入る、といったルートから目指すことができます。

歌の先生

音楽教室で歌を教えたり、ボイストレーナーとして指導に当たったり、という選択肢もあるでしょう。
プロの歌手として食べていくほどではないけれども、声楽の勉強や訓練を専門的に行ってきたのであれば、指導者となることもできます。
また、知り合いのツテにより、臨時でバックコーラスに入るなどといったこともあるかも知れません。

他にも、レコード会社に勤めるなど、歌に関わる仕事は様々にありますし、コミュニケーション能力や発声力を鍛えることは、歌に関わらずとも無駄にはならないでしょう。

まとめ

歌は運動であり、自分の声を楽器として自身を表現する芸術でもあり、また娯楽でもあります。
歌の練習は声を出す練習にも通じますから、会話や演説の力も鍛えられます。

子供のうちから声の出し方を身につけることで、将来的にも様々な場面で役立つといえるので、お子様が興味を持っているようであれば習わせてみるのもいいのではないでしょうか。

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