礼節を身につけ心身を鍛錬する! 子供への空手の習わせ方

スポーツとはまた別に、武道を修めることで子供の心身を鍛えたい、と考える親御さんも多いことでしょう。
習い事としての武道には剣道や柔道、ボクシングなどがありますが、中でもメジャーなのが空手です。

今回は、そんな空手について、

・子供に空手を習わせることのメリット
・空手の習わせ方はどのようにすればいいのか
・空手の習得に結びつく職業にはどういったものがあるのか

などの点をみていくことにしましょう。

空手について

空手の歴史と種別

武道として盛んに行われている空手ですが、その歴史は意外と古くありません。
時代は大正、沖縄県から全国へと伝えられ、戦後になって世界中へと広がったといわれています。
ただ、空手が空手と呼ばれるようになる前、沖縄が琉球王国だった頃から源流となる武術は存在しました。その歴史は15~16世紀にまで遡るといいます。

空手には主として伝統派空手、フルコンタクト空手、防具付き空手などがあり、それぞれ試合の方式が異なります。

伝統派空手:古流、伝統的な技術に基づいて試合を行う流派や団体。「寸止め」ないし「当て止め」での試合を行う。
フルコンタクト空手:ルールとして直接打撃制の組手競技ないし稽古体系を採用している会派や団体。いわゆる実戦空手。
防具付き空手:組手の稽古や競技について、防具の着用をした上で直接打撃にて行うもの。広い意味ではフルコンタクト空手に含まれる。

空手のルールと勝敗

同じ武道でも柔道には統一的なルールがありますが、実は空手にはルールがありません。
これは、「何でもあり」ということを意味するのではなく、流派や会派によって規則なり型なりが異なるため、唯一の絶対的なルールが定められているわけではない、ということです。

では、試合の勝敗はどうやって決まるのでしょうか。
伝統派空手の場合は、ポイントと時間で決まる制度となっています。それぞれの技にはポイントが割り振られており、その技を寸止めの形で相手へ入れていきます。ヒットすればポイントが加算されてゆき、一定の時間が経過した時点でポイントの高い選手が勝ちとなります。
他方、フルコンタクト空手はシンプルで、相手を倒せば勝ちです。

空手の要素

空手には、大きく分けて3つの要素があります。

第1に基本動作。これは移動(歩法)や突き、蹴りといった基本となる動作です。
第2に。空手には色々な技があるのですが、この技を決められた順に従って演武するという個人練習の形式です。
第3に組手。型は一人で行いますが、組手は二人で相対して技を掛け合う練習です。

空手というのは、簡単に言えば主にこの3つの練習を積み重ね、試合に臨むという武道なのです。

空手を習うことのメリット

心・技・体の鍛錬

まず、空手は武道、つまり「武」であると共に「道」でもあります。
武としての空手は身体を鍛え、筋肉を付け、頑強にしますし、技も身につきます。
道としての空手は精神を養い、礼節を身につけさせます。

特に空手は礼儀を重んじますので、教室なり道場なりにおいて挨拶や所作、振る舞い、姿勢などをしっかりと教えられます。
子供のうちからそうした目上の相手への礼儀作法を身につけることで、社会に出てからもしっかりした人物と評価されることでしょう。

空手を沖縄から全国へと広めた開祖の一人、船越義珍が記した教訓である『空手道二十訓』にもあるように、「空手道は礼に始まり礼に終る」のですね。

余裕が生まれる

人間、切羽詰まると不用意な行動や言動をとってしまうものです。
人が追い詰められる要因としては、たとえば時間の不足であったり経済的な問題であったりと様々なものがありますが、中でも肉体的な強弱という点は大きなものです。

身体を鍛えて武を修めると、自分自身の強さに自信が持てるようになります。
時間がない者ほど日々を無駄に過ごしてしまうように、貧困な者ほど妙なところで散財してしまうように、自分の強さに自信のない者ほどよく吠えるというのが人間の性です。
つまり、自分が強いと信じられることで、心に余裕が生まれるわけですね。

武を修めた方ほど人当たりがよく、一見穏やかに思えるのは、その心の余裕ゆえです。
子供のうちから空手を習わせることで、常に余裕をもって過ごせるようになります。

自分の身を守れる

いわゆる護身というものです。
通り魔に襲われたときや、暴力的なイジメを受けそうになったときなど、空手を身につけていれば、ある程度自分自身を守ることができます。
これは同じ心身を鍛えるのでも、スポーツとは異なるメリットと言えるでしょう。

空手教室について

何歳くらいから始めるか

空手の教室や道場に通わせようという場合、何歳くらいから始めればいいのかというのは難しい問題です。
あくまでも武道ですから、十分に指導者が注意してくれたとしても、怪我のおそれがまったく存在しないわけではありません。

音楽や体操などであれば3歳頃から始めるというケースも多いようですが、空手となると早くとも5歳以降でないと身体の成長が追いつかないという実態があります。
実際に空手教室に通っていたことのある人の体験談によれば、小学校2年くらいになってようやく動きに身体がついていくようになった、ということもあるとのこと。

成長には個人差がありますが、空手を始めるのであれば5~7歳頃が目安となるといえるでしょう。

空手教室での指導内容

実際の空手教室や道場では、子供にどういったことを教えるのでしょうか。
当然ながら、いきなり殴り合ったり蹴り合ったりするわけではありません。

その空手教室によっても多少の違いはありますが、まず礼儀作法はしっかり教えられます。
挨拶と礼ですね。
それから、基本動作。これは足運びや突き、蹴りといった基本となる動きです。空手においては基礎トレーニングにあたります。
さらに、型をしっかりと教え、反復させます。流派や会派にもよりますが、型だけで数十種類はあるため、繰り返し動きながら身につけることとなります。
基本動作や型を習いながら、組手の練習も行っていきます。

これらを一通り行い、だいたい一回の稽古時間につき1時間程度という教室が多いようです。

空手を習う際の費用・月謝

空手教室の月謝は、自前の道場かどうかなどにもよりますが、3000~8000円ほどとさほど高くはありません。
これに、入会金が5000~1万円ほど掛かるところもあります。

費用については、道着代、サポーター代、そして昇級試験の費用が主に掛かります。
道着代は1万円ほど、サポーター代は3000~6000円ほど、試験料は5000~1万円ほどであり、全部合わせると3~5万円ほどと、習い事の中ではそう高くはない部類といえます。

空手と職業

プロ空手家という存在

伝統派空手には、いわゆる「プロ」というものが存在しません。
空手の指導者として謝礼を受け取ることがあったとしても、あくまで副業的な位置づけであり、別の本業を持っているというケースがほとんどだといいます。

これに対してフルコンタクト空手は道場を開き、生徒を確保して教えることで生計を立てている空手家もそれなりにおり、彼らはプロ空手家と呼んでいいでしょう。

また、スポーツクラブや公共施設などでの空手の指導員を正社員として募集している会社もあるので、その場合には会社員であり空手指導員であるといえます。
ただ、専業として空手を行っている人はそこまで多くないというのが実態のようです。

警備員など

警備会社、セキュリティ関連会社といった関係の業務では、武道の経験や段位などが採用にあたって有利に働くことがあります。
そうしたところに勤めるのであれば、空手を習っていた経験は役に立つでしょう。

まとめ

空手には伝統派空手とフルコンタクト空手の違いがあるだけではなく、伝統派空手の中に松涛館・剛柔流・糸東流・和道流といった四大流派があり、また沖縄空手と呼ばれる空手にも別の流派があります。
それぞれでルールや特徴も異なるなど、なかなか選ぶのが大変なところです。

ただ、いずれの流派でも礼儀を重んじ、心身を鍛え、痛みを知るといった点では変わりはないものです。
子供のうちに空手を通じてきちんと強さや弱さを学ぶことは、とても大事なことといえるでしょう。

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